2024年9月1日日曜日

はじめに

激変の時代に、生き残りを賭けてブランド=信用を高め続けるために、店舗経営者である店長がどのように日々工夫し、努力しているかを綴ります。販売スキル・スタッフ育成・ファンづくりのためのリーダーシップ・マネジメント・コーチングなど”店長力”を高めるエッセンスを詰め込んだ店長研修に役立つ講座(ブログ)です。 このエントリーをはてなブックマークに追加

2014年12月23日火曜日

クリスマスシーズン、お店はドラマでいっぱい!~接客は推理小説?

クリスマスシーズンはある意味ブランドにとっては「繁忙期」という有り難いシーズンである。        
年末、クリスマス、ボーナス、様々な要素がからまって、「さあ、素敵なモノを探しに行こう!」「思い切ってこの機会に買ってしまおう!」という心理が働き、普段お店に来られない方々も来て下さる。



寒空の中、ウインドウに浮き上がる素敵なディスプレイや、垣間見えるお客様の真剣な視線、楽しそうな笑顔がお店への吸引力を持つ。

スタッフからすれば、シーズン前にご来店いただければ、混み合った中で窮屈な思いをせずお買い物をしていただけるのだが、なかなかそうはいかない。なぜなら、大半のお客様は「商品」そのものが欲しいのではなく、クリスマスの特別な体験を欲しているからである。ところが「次、次」と処理していかないと、店は回らない。

「丁寧に接客をすれば時間がかかり、他のお客様をお待たせしてしまう」というジレンマ。この状況を店舗としてどうプラスに持って行けるか?あなたならどうするだろうか?

それに対して、ある店長が話してくれたことが印象に残っている。
「うちで一番売り上げが常にトップで、且つリピーターをたくさん持っているスタッフの動きを観察していると、そう言う繁忙期にはある特徴が見えます。」
それをまとめると、以下のようなポイントだった。

①彼女は言葉数は少ないが、店舗全体を良く見渡し、作業をしながらもそこにいらっしゃるお客様の一挙手一投足を驚くほどよく観察している。そして、お客様がちょっとした信号を発すると、すばやくキャッチし、的確にそれに反応する。結果的に、だらだらせず素早く商品を決めていただいているが、お客様はとても嬉しそうに帰って行く。
②もちろん彼女は、事前に商品在庫・売れ筋(他社も含めて)・周辺のイベント情報などすべて把握している。つまり、ステージに立つ準備をしっかり整えて臨んでいる。
とのことだった。




     当のスタッフ曰く「推理小説ですよ、接客は」。つまり、お客様の目に見える情報(身につけてい
    るモノ、持ち物、雰囲気、カップルであれば距離感、表情、視線、ちょっとした体の動き・・)など、
    言葉は聞こえないにしても、発信している情報はたくさんある。
    それをきめ細かくキャッチして、推理する。「~の帰りに、~のために、こちらに寄った~
  というご関係の方かな」。その想像力は日頃から鍛えているだけ合って、ほとんどはずさないのがす
  ごいところである。

そこで、というタイミングに近づいていって、「もしかして、~をご覧になってのお帰りですか?」と推理をぶつける。決して「何か、お探しでしょうか」とは聞かない。すると大半のお客様は「なんでわかったの?」という顔をすると共に、スタッフに興味を示す。そこからすんなり会話に入り、的確な提案で素早く決める。彼女は「悩むことがお好きな方もいらっしゃいますが、私は特にカップルの方などは、しっかりした説明で安心感を持ってもらったら、むしろそれを持って、次のレストランや、デート、友達に自慢する、ということに大切な時間を使っていただきたいんです。きっとそのときの幸せ度はもっと素晴らしくなるでしょうから。だから、失敗のない提案になるよう、提案しながらもお客様の仕草、表情は見逃さないようにしています。」

「時間をかけたから丁寧=よい接客」というのはある意味固定観念である。お客様のご要望やお好みもあるが、彼女のように、自分で効果的にリードできるよう、日頃から観察力、想像力を含めて鍛えているかどうかが重要と教えられた。
ただ大前提は、それだけご来店いただけている個々のお客様に関心のアンテナを立て続けられる向上心・情熱なのかもしれないと思った。


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2014年12月15日月曜日

ブログ移転のお知らせ


いつも当ブログをご覧いただき、誠にありがとうございます。

この度、当ブログをサービスデザイン研究所の公式ウェブサイト内に移転しましたので、お知らせいたします。
移転先URL⇒http://sdi.ecnet.jp/topics/blog_term/store_manager
※お手数ですが、ブックマークの変更をお願いいたします。

今後ともサービスデザイン研究所をよろしくお願いいたします。

【お知らせ】このブログを小冊子化しました!今、無料で差し上げています。ご興味のある方はホームページhttp://sdi.ecnet.jp【お問い合わせ】より、店長ブログ冊子希望とご記入の上お申し込み下さい。お電話でも受け付けております(03-5805-1053)お待ちしております。 このエントリーをはてなブックマークに追加

2014年10月6日月曜日

着実な売り上げにつなげるための考え方とプロセス目標の大切さ



ジュエリーブランドの店長研修で、ある店長が以下のような話をしていた。
「この世界は、来店数も限られており、そのチャンスにしっかり接客をしなければ当然数字にはつながりません。スタッフも売り上げを考えると、その場で何とか気に入っていただきたいと熱心に接客します。ただし、高額ということもあり、検討します””後でまた来ますと言われるケースも多くあります。 ですから、その日一生懸命接客したからと言って、すぐに結果に結びつくとは限りません。数日売り上げゼロが続くと、スタッフの中には焦り・ストレスが前面に出たり、かなり落ち込んで暗い雰囲気になる、あるいは早々にあきらめモードに入ってしまうこともあります。一方でそれとは逆に、思いがけず高額品が売れて一気に売り上げが跳ね上がることもあります。 ただ、気をつけなければならないのは、そういうことを繰り返すうちに、売り上げは運によって大きく左右されるという考え方を持ってしまうスタッフが出てくることです。もちろん運の要素もゼロではないと思いますが、あくまで売り上げは自分の実力の結果であるということをしっかりわからせることがとても大切です。」

店長の言っていることを式で表すと以下のようになる。

売り上げ結果=自律的要因(自分の力)+他律的要因(自分以外の力)

これ自体は揺るぎのない事実である。しかし、事実以上に大切なのが、売り上げ結果を10とした場合、「その割合をどう考えるか」という個々の考え方である。おもしろいことに、売り上げ結果がいい時と悪い時で、同じ人でもこの割合が大きく変わるケースが多い。すなわち、売れている時は、心の中で【自分の力で売った】と考える割合がかなり大きくなる。逆に売れない時は【自分の力以外(商品・立地・天気・景気など)】が足を引っ張っているからだ、と考えがちになる。

これまでお会いした中で、安定して売り上げを上げている人に共通するのは、“他律的要因は存在するものの、それがどうであれ、最後は自分の力で売り上げは決まる”という考え方である。すなわち、他律的要因(商品の力・ブランドの力・会社の力・天気・景気など)は、あくまで自分が活用すべきものであり、うまく活用できたかどうか次第で結果は左右されると考えるのである。「天気が悪く、入店数が減った」というのはいかんともしがたい事実ではあるが、「だからこそ、それを挽回すべく、自分の力で時間を上手に使って会話が弾む接客をして、固定客(顧客)につなげることが必要」と考えるのである。 また、すぐに結果につながらなくても、【認知していただく興味を持っていただき来店していただくアプローチ後会話ができる状態を創る席に座って(あるいは試着して)より詳しく話せる関係を創る(ニーズ把握と提案)購入を検討し、決定していただく購入後の感想をお聞きする】というステップを、どれだけリードしながら進めているかを測定する。それによって、ゴールに近づいているという実感を維持できるようにする、というプロセス目標の管理を行っている。

店長の仕事として、そういった考え方・やり方をフィードバック等を通して教育していくことは、スタッフのプロ意識を醸成する上で非常に大切である。そして、おそらくお客様はそのようなプロ意識を持ったスタッフから素敵な商品を買いたいと思っているのである。

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2014年9月25日木曜日

ベテラン店長の固定観念を溶かすには何が必要?



先日うかがった会社で、営業担当者から以下のような悩みを聞いた。

「この半期の担当店舗の予算達成傾向を見ると、ある特徴があります。それは、成績不振の店舗の店長は、いわゆるベテランです。店舗に行って成績不振の原因を聞くと、共通してこれまで以上にスタッフと共にお客様の呼び込みや接客に一生懸命取り組んでいるということを訴えてきます。では、「なぜ?」と聞くと、他律的要因(景気・百貨店の客数減・天候・会社の施策・会社の支援等々)が次々と出てきます。実際に支援が十分かと言えばそうではないため、無下に厳しく言うこともできず、一応受け止めはします。そして最終的に『他律的な要因に求めていても数字は上がらないから、まだできることがあると考えて取り組みましょう』と促すと、オモシロくなさそうな顔をします。おそらく納得はしていないと思います。実際、その場では『わかりました』と答えても、次に行った際にはまた同じようにできない言い訳をしてきます。では、スタッフはどうかと言えば、店長自身はスタッフは自分の指示に従ってきちんと動いてくれていると安心していますが、実は店長から心が離れていて、表面だけ合わせているケースも多々あります。そういうことに気づいていないことも成績不振に影響を及ぼしていると思います。ただ、あの手、この手で何とか気づいてもらおうとするのですが、長年かけて作り上げてきた自分の考えに固執して、なかなか発想が広がらずに困っています。こういうベテラン店長を、年齢も下で経験も浅い私がどのようにリードすればよいのかアドバイスが欲しいのですが。」



もちろん、一つの正解があるわけではないが、主なポイントを挙げると以下のようになる。
①固定観念とはひとつの思考パターンであり、知らず知らずそのパターンで考えることが当たり前になっている。ゆえに、固定観念を溶かすには、この思考パターン以外の思考パターンを新たに定着させるトレーニングが必要である。例えば、よくあるパターンを挙げると…

『組織変革ファシリテーター(ファシリテーション能力実践講座:堀公俊著)』(東洋経済新聞社)より抜粋

つまり、右の吹き出し部分を粘り強く質問し、考えさせるトレーニングが必須である。せっかく店舗に行って対話をしていても、『傾聴』ということを重視するあまり、ただ聞くだけで終わっていないだろうか?大切なのは、適切なタイミング・適切な質問で思考回路を広げさせること、それこそがコーチングの効果につながる。


②話していることを極力文字にして書き出し、記録として残す。
言い訳をしている時は自己防衛心理が中心のため、とにかく思いついたことを次々述べようとする。それを聞いていても、感情的にイライラしたり、時間切れになってしまう。大切なのは、キーワードを書き出し、見える化することである。そして「要するに、要因としてはここに今5つ挙げてもらいましたね。その上で、まず自分ができることは何ですか?」など、お互いにメモしたことを見ながら思考を整理することである。

そういう取り組みをしないで、「あのベテラン店長はいいわけばっかりで何もしない」というレッテルを貼ってしまと、相手も「結局悩みを伝えても本気では答えてくれない」と受け止め、お互いの溝が埋まることはない。これは店舗に限らず大切なことだと私自身、自分に言い聞かせている次第である。

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